車検証備考欄の記載内容とは

車検証備考欄に記載されるようになった車検時の点検整備実施状況とは?

 1年点検や2年点検といった定期点検整備を確実に実施することは、法律で自動車の使用者に義務付けられており、安全に自動車を使用するうえで重要で基本的なことです。国土交通省では、すべてのドライバーに定期点検の大切さをしっかりと伝えて、確実に行っていただくために、車検証の備考欄に定期点検整備の実施状況を記載することとしました。この記載が始まったのは、普通自動車や小型自動車と250ccを超える自動二輪は平成26年2月から、軽自動車は平成27年1月からです。車検を受けた方は、以下の記載内容と例を参考に車検証を確認してみてください。

車検証に記載される内容は

①受検種別
②検査時の点検整備実施状況
③受検形態

の三項目です。

① 受検種別

  • 指定整備車
    指定整備工場で車検を実施。
  • 持込検査車
    国の検査場に車を持込んで車検を実施。

② 検査時の点検整備実施状況

  • 点検整備記録簿記載あり
    車検時に定期点検整備を実施し、点検整備記録簿が車検更新時に国に提出された。
  • 点検整備記録簿記載なし(車検ステッカーに【法定点検未実施(車検時)】記載)
    車検時に定期点検整備を実施しておらず、国に点検整備記録簿の提出が無かった。

さらに、令和2年4月1日より、車検ステッカーにも点検整備実施状況が記載されるようになりました。(軽自動車、二輪車、被けん引車、大型特殊自動車(前面ガラス無しのクルマのみ)を除く)
車検更新時に定期点検記録簿を国に提出していない場合、車検ステッカー裏面(室内側)に【法定点検未実施(車検時)】と言葉が記載されます。
車検を受けた方は、以下の車検証、車検ステッカーの記載内容と例を参考に確認してみてください。

③ 受検形態

  • 指定整備工場
    国が行う車検の検査を自社で実施できるように国に指定された整備工場で車検を受験。
  • 認証整備工場
    国から分解整備作業(ブレーキ整備等)をすることを認められた整備工場で車検を受験。
  • 使用者
    ユーザー自身が車検を受験。
  • その他
    代行車検業者等、上記以外の方法で車検を受験。

 

自動車検査証 備考欄への記載例

  1. 指定整備工場が定期点検整備と車検を実施(ユーザーが指定整備工場に車検を依頼)

○車検証

受検種別 指定整備車
検査時の点検整備実施状況 点検整備記録簿記載あり
受検形態 指定整備工場

○車検ステッカー(検査標章)

点検実施状況記載の有無 記載なし
  1.  認証整備工場が定期点検整備を行い車検を実施(ユーザーが認証整備工場に車検を依頼)

○車検証

受検種別 持込検査車
検査時の点検整備実施状況 点検整備記録簿記載あり
受検形態 認証整備工場

○車検ステッカー(検査標章)

点検実施状況記載の有無 記載なし
  1.  ユーザー以外が定期点検整備を行わず車検を実施(ユーザーが車検代行業者等に車検を依頼)

○車検証

受検種別 持込検査車
検査時の点検整備実施状況 点検整備記録簿記載なし
受検形態 その他

○車検ステッカー(検査標章)

点検実施状況記載の有無 【法定点検未実施(車検時)】記載有り
  1.  ユーザー本人が定期点検整備を行わずに車検を実施

○車検証

受検種別 持込検査車
検査時の点検整備実施状況 点検整備記録簿記載なし
受検形態 使用者

○車検ステッカー(検査標章)

点検実施状況記載の有無 【法定点検未実施(車検時)】記載有り

電子車検証の車検時の点検整備実施状況の記載について

 令和5年1月4日より、電子車検証制度が開始され、登録車(普通車、小型車、大型特殊自動車、小型2輪自動車)の車検証について、継続車検時などに従来の紙車検証(A4)から電子車検証(A6サイズ、ICタグ貼付)に差し替えが始まっています。(軽自動車は令和6年1月から)

紙車検証との大きな違いは、券面に記載されている情報がクルマの基本的な情報のみとなり、情報量が減少したことが上げられます。券面に表示されなくなった情報は、ICタグ部にデータとして記録されており【車検時の点検整備実施状況】は、このICタグ内にデータとして記録されています。

現在、紙車検証から電子車検証に差し替えとなる際、【自動車検査証記録事項(紙A4版】が各運輸支局より一緒に交付されており、ICタグ内に記載されている各種情報を紙で確認することができるようになっているため、ここから【車検時の点検整備実施状況】を確認することができます。

それ以外に【車検時の点検整備実施状況】の確認方法として、電子車検証のICタグの情報をパソコン(ICカードリーダ必須)またはスマートフォン(NFC機能必須)を利用し【車検証閲覧アプリ(無料ダウンロード)】で読み取る方法があります。車検証閲覧アプリの使用環境、ダウンロード方法、その他電子車検証の詳細についてはについては、国土交通省の【電子車検証特設サイト】をご確認ください。

電子車検証特設サイト (mlit.go.jp)